2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ずっとにぎっていたいもの

0226 信じられないくらい幸福だ。車の中で大好きな音楽を最大音量でかけて、ぽろぽろと泣いた。胸がいっぱいで、煌めいた時間を噛み締めて、ずっとずっとにぎっていたい。ここにくるまでに本当にたくさんのことがあった。でもそれが、それらの出来事たちがこ…

暗い雨のなかで

雨の音が聞こえる。無音よりずっと落ち着く。しとしとと雨が降る日に、水に触れることが好きだ。長く湯船に浸かっていたいと思うし、今日はプールに行って泳いだ。 やっと、泳げるようになった、と思う。苦しかった日々から抜け出して、息継ぎをしながら。た…

揺れる

泳いでいる時間は解放的だ。考えることも放棄して、ただ底に映る水の光の揺らめきをみていた。 今の私はプールの底でじっと体育座りをしているような気分。うまく、大きく、息が吸えない。 どうしてこんなに気持ちが沈んでいくのかわからない。 誰も私を傷つ…

サマーカクテル

旅先で新しい香水を買った。 煌びやかで華やかな夏の夜のひとときをイメージした香り の文字に、頭のなかにはキラキラ輝いた夜のプールが浮かんで、少し派手な気もしたけど、そんな気持ちが生れる前に手が伸びていて、一目惚れだった。 夏をこんなに綺麗な情…

抜け殻だ。 やるべきことが終わった。 この上なく開放的な気持ちのはずなのに、なぜか、赦されない気がしている。 住み慣れたアパートの静寂のなかで、もうずっと、どしりと重い体を支えながらぼうっとしている。時計の秒針を刻む音だけが、寂しくわたしの耳…

真っ暗がり

暗闇はすべてをただ黙って受け入れてくれる。 何にも見えないふりをして、大きな手を広げてそっと包み込んでくれている気がする。 人の心にずかずかと土足で入ってくるその足音とか、訂正が許されると信じて発せられる、するどい言葉たちの方がずっと、怖い…

ありのままの

わたしは白が好き。 何にでもなれる、希望に溢れた色。 イメージカラーがピンクって言われることも、女の子らしくいることの大変さも煩わしさもたのしさも、もう充分、慣れたつもりでいた。 なのにどうして、自然とピンクを避けるようになったのは、いつから…