とても鋭利な敵

言葉に傷つけられる。あの子の何気ない一言に、人伝に聞いた恐らく自分へ向けられた言葉に、ひどく傷ついて頭から離れない。言葉はひどく鋭利だ。口から出る言葉はもっと危険だ。手で生み出される言葉の方がずっと信用できる。傷ついた経験があるからこそ、人を傷つけたくないと願うのに、つい口から出てしまう。その言葉は文字に表しても恥ずかしくないものなの?後悔しない?そうやって確認作業をしながら会話なんてできっこないし、もう話すのをやめてしまいたい。誰かを傷つけるくらいならもうずっと、話すのをやめてしまいたい。沈黙に耐えきれずに、当たり障りのない言葉を選んで、自分を卑下して笑いを誘って、そんな会話にもう疲れてしまった。強く、真っ直ぐと生きていきたいのに、うまくいかない。